修繕工事の知識 シーリング材について
建物に水が浸入すると住む人や利用する人に悪影響が出ます。
水が浸入する可能性が高い部分には防水するためにシーリング材を充填します。
目に見える所では、窓廻りや、タイル目地、水廻りなどです。
他にも、耐震スリット目地、構造体の打継部、軽量気泡コンクリート板(ALC)の目地など
外観からは分からない建物内部に水の侵入する恐れのあるあらゆる箇所に充填されています。
シーリング材の種類としては、ウレタン、シリコン、変性シリコン、ポリサルファイド、アクリルがありますが、修繕・リフォームで使用するのは主にウレタン、シリコン、変性シリコンになります。
ウレタンシーリング材ですが、ウレタンの性質上紫外線に弱いという特徴があります。
また、汚れが付きやすいく取れにくいので、時間が経つうちに汚れが目立ってきます。
そのまま屋外で使用するとすぐに劣化してしまいますが、3つに中では塗装との接着性が一番いいので、上から塗装することで紫外線からの劣化を防ぎ、長期間防水効果が期待できます。
ウレタンのメリット、デメリットを考慮すると、屋外での塗装仕上げ部分の目地に多く使用されます。
次にシリコンですが、非常に安価な素材で防水性、耐久性、施工性に優れています。
汚れが付きにくく、綺麗な状態を長く保てます。
ですが、一つだけ大きな弱点があります。
塗装が全く塗れなくなってしまいます。
また、テープ類の粘着製品も付かなくなってしまいます。
なので、主に窓ガラス周囲、ステンレス製品や浴室などの水廻りに使用します。
最後に変性シリコンですが、シーリング材の中では一番性能の高い防水素材です。
対候性に優れ露出部分にでも長期にわたり防水性能が期待できます。
また、上から塗装を塗ることも可能です。
塗装との接着性はウレタンより劣りますが、屋外で仕上げが無い目地に使用するのに適しています。
主にタイル目地(打継、スリット、伸縮目地)ドア、窓の取合い部分など。
ここまで聞くと万能な素材ですが、それゆえに材料費のコストは一番高いです。
なのでウレタン、シリコン、変性シリコンを部位ごとに使い分ける事が修繕費を抑えるポイントになります。
最後にシーリングとコーキングの違いですが、厳密に言うとシーリングは防水性のあるものを、コーキングは隙間を埋めるために充填するものをさします。
ですが、建設業界では、便宜上どちらもシールと表現することが多いようです。
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